多様な人材を獲得するために〜無意識のバイアス〜

こちらの記事に引き続き、多様な人材を獲得するためのポイントをさらにお話していきましょう。

『多様な人材を獲得するための雇用者ブランディング』

無意識のバイアス

多様性を保持するという文脈の中で、対になって議論される視点が無意識のバイアスです。

どんなに多様性の可能性を探ろうとしても、自身が意識していない領域でバイアスを持って向き合ってしまうことが人間には往々にして起こります。その存在に気がつくのはとても難しく、客観的に、多数の人間が戦略を持って解決に挑むしかありません。

では採用という現場において、どんな無意識のバイアスが起こりうるか、事例をご説明します。

1, 「明確さの欠如」

どんな人材を求めているか?どんなスキルや人間性がその企業にとって必要か?企業が求めているものが明確でないとき、バイアスがかかります。これは心理的なものです。

なぜバイアスが存在するのかを考えると、それは精神的な近道を作ろうとするからです。明確でないものを判断する時、そのストレスを軽減しようと、すでに持っている潜在的な判断基準が存在感を増します。

まず第一に取り組むべきことは、その採用において何が求めているのか、何を求めていないのか、交渉不可能なものは何なのか、ということを常に明確にすることです。明確さや整合性が採用基準の中で何より大事です。

2, 時間的制約

企業は人材の流動に合わせて随時採用を行う必要があります。その際に基準や戦略が常に準備されていない場合、いつまでに何人採用しなければならないという時間的制約だけが大きな基準となります。そこで何が起こるかというと、またもや精神的な近道です。必ずしも正しいことではなく、自分が心地よいと感じるものに頼ることになります。さらによくあるのが、過去にうまくいったと感じた感覚や傾向に頼るのです。

時間的な制約があったとしても、戦略や基準がその都度明確であれば、精神的に、曖昧に流されることはありません。

3, ストレスの多い環境

例えば、営業チームの業績が6ヶ月間低迷し続けていた場合、採用担当者は次の営業職の採用を絶対に成功させなければならないというストレスを抱えることになります。そして、そのようなストレスやプレッシャーを抱えていると、自分の居心地の良い感覚や心情に戻ることを無意識に望んでしまい、そこからバイアスが発生する可能性が高いのです。

つまり、明確さ、時間的制約、そして多くのストレス、それが私たちの活動の背景となっているのです。

採用におけるさらなる視点

日本では履歴書の必須項目において未だにダイバーシティへの意識が欠如している場合があります。

まず第一に、IDベースの質問をすべて排除する必要があります。どのようなスキルセットを持った人に来てもらいたいか、どのような問題を解決してもらいたいかで履歴書に書いてもらう項目を規定するのです。誰が欲しいかではなく、何を達成したいかで全てを考えることが重要なのです。

アイデンティティに基づく答えは多様性を求める採用においてはベストプラクティスではありません。無意識のバイアスを取り除くことから始めましょう。

もう1つは、候補者の面接リストを作成するときも、推薦するときも、性別やその他の多様性の観点から均等に人材が選ばれていることを常に確認すべきです。

例えば、10人の候補者のうち、女性が1人、男性が9人しかおらず、少数派の女性候補者がいるとします。その場合、この1人の女性が「私はワークライフバランスを重視しています」と言うと、たった一人しかいない、会社にとって大事な考えを持った人材として認識される可能性が高くなります。そうすると、採用担当者は「よし、この人を採用しよう!」となるかもしれません。

一方、男女の数が半々の場合は、性別の違いが強調される可能性は非常に低くなります。

バイアスを取り除くために、アイデンティティに基づく質問を排除することと、評価がより全体的で総合的なものになるように、ベースラインとして常に多様な候補者が選抜されることが大事です。そうすれば、固定観念に基づいて判断するようなことはなくなります。

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